仕事における処世術について考える
こんにちわ。従業員体験( EX )の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
仕事をしていく上で必要なスキルというと専門スキルが思い浮かぶことが多いかもしれません。
一方で、実際には仕事における処世術というような、関係者とうまくやっていくスキルが重要になるケースもあります。
今回は、仕事における処世術について考えてみます。
仕事における処世術とは?
処世術とは社会生活をうまく生きるためのスキルのことです。
仕事の文脈においては、上司・同僚・部下・顧客・外部のパートナーの方々などとうまく仕事を進めるスキルになります。
もっとラフにいうと「うまいことやる」スキルです。
仕事における処世術の例
期待値調整
顧客、上司、部下などと期待値を合わせること。
逆にいうと、ここを大雑把にしておくと期待値にギャップがでて、思いも寄らない大きな期待を持たれていて、当然達成できないので不満を持たれてしまう、ということがありえます。逆に自分が相手に無茶な期待を持って、結果的に失望して不満を持ってしまうようなケースもありえます。
なお、世の中の期待値ハックとして「本当は10できるけど、低めに5で伝えておいて、6か7程度の成果を出すことで相手の期待を上回る」のような方法がすすめられることがあるかもしれませんが、私は事実ベースで誠実にすり合わせるのが好ましいと思うタイプです。
関係構築
関係構築の影響
関係性が良好だと物事が円滑にいきます。
関係性が良いと以下のような好影響があります。
- 自分の言動を好意的に解釈してもらえる
- 様々な活動において味方になってもらいやすい
逆に関係性が悪いと以下のような悪影響があります。
- ちょっとした自分の言動をマイナスに解釈されてしまう
- 様々な活動において味方になってもらいにくい
などの問題が発生しやすくなります。
関係構築の方法
関係性を良好にしていくためには
- 雑談などを通して親睦を深めていく
- 感謝を伝える
- 大小様々な相手の期待に応え続ける
- 相手と一緒に業務に取り組む
- 相手の助けを求める声に応じる。アラートを察知して自ら助けにいく
などがあるでしょう。
逆に、
- 相手の働きかけ、好意、貢献をスルーする
- 相手の困難を見て見ぬ振りをする
- 相手に攻撃的な発言をする
- 相手に持論を押し付ける
などがあると関係性が悪化していきます。
事前準備
複数の関係者が関わる取り組みに関して事前準備をしておくと、進行が円滑です。
例えば、全社に展開が必要な施策が合った場合、誰にも確認せずにいきなり全社に展開するのではなく、各部門の関係者に感触を確認しておくような取り組みです。
こういった活動を「根回し」として嫌うケースもあるかもしれませんが、無確認で全体の求めていないものを提供するよりもよほど良い結果につながります。
元々私はここがそんなに得意ではなかったのですが、人事分野に入ってきて色んな方々と話す機会が増え、この大切さを実感してきています。
その他
目立ったところを紹介しましたが、仕事の処世術には他にも色々ありえます。
例えば
- 効率よく仕事を終わらせて、学習や業務改善に一定リソースを割り当てる
- 仕事の中に常に新たな経験が得られるものを組み込めるようにする
- 良い刺激を得られる人との交流を増やす
- 悪い影響を与えてくる人から離れる
- 社内の交流範囲を広く保つ
- 自分の専門領域に関する社外交流を広げる
- 困ったとき人に頼る。逆の状況になれば相手を助ける
- 自分の得意な領域を多くの人に知ってもらう。他者の得意領域を知っておく
などです。
仕事における処世術の身につけ方
仕事における処世術を身につけるために重要なポイントを3つに分けてみました。
- 視野・視座・視点の強化
- 人間・心理・感情に関する理解の強化
- 観察と模倣
視野・視座・視点の強化
仕事の文脈でうまくやっていく方法の一つとして、視野を広げ、視座を高め、視点を強化する方法があります。
例えば「ビジネスの構造」を理解する方法があります。自分が関わっている組織の業務の流れ、ビジネスモデルなどを知ること。また、それらの情報を経緯を知る人から背景の事情も含めて教えてもらうこと。
例えば「一つ上の目線」で考える方法があります。1メンバーならリーダー・マネージャー目線で。リーダー・マネージャーなら経営目線で考える、などのような形です。実際に考えがあっているかどうかはその立場の人達と話してみれば確認できます。
例えば「時間軸での影響の予測」の能力を強化する方法があります。
自分が経験した出来事のふりかえりを定期的に実施するのがおすすめです。
物事がどういった因果関係で発生したのかをふりかえることで、時間軸での影響の事例を知ることができます。
人間・心理・感情に関する理解の強化
仕事の文脈でうまくやっていく方法の一つとして、人間・心理・感情に関する理解を強化する方法があります。
一人でできる仕事は限られます。ステップアップするにつれ、他者との連携が重要になります。
その上で、
- 人間の行動の傾向を知る
- 人間の心理を知る
- 人間の感情を知る
があるかどうかで、良好な連携をできるか、敵対に至ってしまうかに影響が出ます。
観察と模倣
仕事の文脈でうまくやっていく方法の一つとして、観察と模倣があります。
実際に仕事の処世術がうまい、上司や同僚の振る舞いを観察し、その振る舞いが持つ意味を理解し、模倣してみることで自分でも類似の振る舞いをできるようにします。仮に、振る舞いの意味が読み取れなかった場合は、率直に質問してみるとよいでしょう。
まとめ
今回は、仕事における処世術について考えてみました。
マネージャーになるにしろ、スペシャリストとして特定の技術領域をリードするにしろ、仕事のステップが上がれば上がるほど処世術の重要度が高まってきます。専門スキルも重要ですが、処世術にあたるスキルも並行して伸ばしていけるとキャリアの停滞期を乗り越える一つの武器になるように思います。